溶眼病の物語。

わー、突然人が目の前からいなくなったーと思ったら足元で同い年ぐらいの女性がうずくまっていて、両手で顔面を押さえていた。周りの人間が僕と女性とを交互に見比べながら一様に怪訝な顔をしているから、なるほど僕がこの女性になにかしらの精神的苦痛、つまり卑猥な言葉だったり罵倒だったり、あるいは臀部を右手の甲でのの字書きにしたとかもっと直接的に乳を揉んだ、揉みしだいたとかしてその結果女性は屈辱を感じてうずくまってしまったかのような構図ができていることに驚いて、僕は「あのー、え?えーと、あれ?なんつうか、あのー、だいじょーーぶ?」とうずくまる女性に声をかけるのだけど僕のただでさえ小声のなんとも情けないお声がけの、特に後半部分は周りの人誰一人にも聞こえなかっただろうから、僕の冤罪はまだまだ晴れないのだけど、ちょっとそれどころじゃなくなったのは、女性のその奇声である、悲鳴である。

僕のなんとも情けないお声がけの後半部にとどまらずここら一帯のすべての音を凌駕するような大音量で、つまり彼女は絶叫した。


「目があぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁああああっ!!!!」


百万本の鉄鋼針のようなその声は音の速さで均等に平等に、まわりを戦慄させた。そう、彼女は今流行りの溶眼病患者でおましたのである。

うずくまった女性を見下ろす僕からは彼女のとぅるんとした形のいい後頭部で隠れて双眸を確認することはできなかったけれど、しかしながら顔面を押さえた手の隙間や指の間から並々と溢れて床に落ちては砕けて血液と共に流れ広がってゆく赤色透明のゼリー体がかつては彼女の目玉の内側を作っていた大事なファクターであるのはよーくわかる。

テレビで何度もやっていた検証番組。結局ヤグラマダラ蚊という本来日本にいないはずの蚊が密輸だかなんだかに便乗して入国、持ち前のビッグダディ精神で異常な繁殖力を誇り、中部国際空港界隈からあっちゅう間に日本中に拡散された。

「あ!」

蚊は蚊だから人を刺すのだけど、ヤグラマダラは眼球を刺す。ヤグラマダラに刺された眼球は最初は本当にゆっくりと膨張する。毒素が眼球全体に達するまでの3日間、刺された本人に自覚症状がなにもないのが厄介で、実はこの間に医者に行けば取り留めることがなんとかできるようにはなった。人類の医学もがんばっとるんやで。ええぞ、ほめたる。こっちこい。けれど3日経ったらダメ。もうダメ。
あれ?目がなんか熱いなぁと思うか思わないかくらいかの超加速で眼球は本当にいきなり破裂する。


ぱんっ!


あぁ、この人も3日間わからなかったのかぁと思いながら僕は女性を見下ろしていた。そこにさっそうと駆けつける男性、「大丈夫ですか!」と声をかけてるけど、んなもん大丈夫なわけないだろうが、バカなんじゃないの、眼球割れてんだぜ?つってたら男性はさっそうと女性の身体を床へ寝かせた。そして顔面にかかった長い髪をさっそうと脇によけて「そんな…」と呟いた。

「両目です!」

男性はさっそうとまわりに叫んだ。こいつはいちいちさっそうとしていてなんか逆に鬱陶しいな、いつもの僕ならそう心情吐露できたのだと思うけど、さすがにこのときはそれどころじゃなかった。

ウソでしょ?まじで?

僕を含めて周囲が露骨にざわつく。だって溶眼病は本来片目にしか発生しない。そして一度眼球の破裂という悲劇を受けた人間はその苦しみ悲しみ憎しみと引き換えに堅牢な免疫に保護されて、なんだかよくわからないが、要するに眼球が破裂すると、もう片方の眼球が防虫、つまりベープの役割を果たし始めるという不思議なことになり、ヤグラマダラ蚊に刺される心配はなくなるはずなのだ。

両目が失われている、これはつまりこの女性が免疫不全型の溶眼病であることを示している。あるいはもともと隻眼、つまり片目しかない人だった可能性もあるなぁ。いずれにしてもこれはヤバい。本来ならベープになっているはずの残された眼球がベープで言うところのコンセントが抜けていて全然熱くなってない状態とでも表現しようか、つまり防虫効果を備えていなかったため、女性は残る眼球をも狙われ奪われてしまったのだ。免疫不全型の溶眼病に限らず、もともと隻眼だった人が、残る目を溶眼病で失った場合もそうなのだが、これは最悪だぁ。最悪だ。ヤグラマダラ蚊はどういう理屈なのか、つるっとしていて柔らかいものを好むらしく、両目を奪った次は真っ直ぐに脳みそを狙う。どこでどう連絡を取り合うのかも定かではないが、誰かが溶眼病で両目を失うと即座に大群を形成して押し寄せ、先ほど眼球が破裂したばかりの空洞から怒涛の侵入、目の裏側にすぐに脳みそがあるわけではないけど、ほどなくして脳みそに到着。一斉に脳みそに針を突き刺して脳汁を啜り楽しむ。一匹の毒素でも眼球を破裂させるほど強力なヤグラマダラ蚊が大群で脳みそにアタックをかけるわけだから、脳みそは一気に膨れあがり、やがて頭蓋骨ごと爆発するのである。

眼前の女はまさに、ヤグラマダラ蚊の餌食になろうとしていた。大群でヤグラマダラ蚊が飛んでくる。周りはその事実に気付いて逃走を始める。視界を失った女性も、大衆による轟音のような足音ですべてを察したのか「いやあっ!いやあっ!」と叫ぶそんな中、僕は平気の平作で女性を見下ろしていた。


南無三だよ女。成仏しろよ、運が悪かったんだお前さんはよ。
僕は格好をつけた。

しかしその格好をかき消すようにさっそうと声がした。

「簡易移植をしますっ!」

声の主は、さっきから女に付きっきりのあのさっそうマンであった。さっそうマンは隻眼であった。いつの間にか女のカバンからさっそうと取り出した『眼球データカード』を印籠のようにかざして、さっそうマンは逃げ惑う人々の足を止めた。

『眼球簡易移植』──これは溶眼病で両目を失った人間が現れた際に、素人がその場でその場の誰かの眼球をお手軽に取り外して両目を失った人間の片目に移植するという画期的にロックな解決法である。
免疫不全型の溶眼病は体質ではなく単なる一過性の何かの不具合によることが多く、従って両目を失った人間に片方だけでも眼球を移植した場合、そのほぼ全ケースで正常に免疫を、ベープを形成することがわかっている。そして簡易移植には大きな利点がある。それは防虫効果なのだけど──僕はさきほどから「防虫効果」を連呼しているけれど、普通の溶眼病で残された眼球が得るのは「虫がよけて行くタイプ」の防虫であるが、簡易移植を行った際、移植された眼球は「虫がよけて行くタイプ」の前に、まず始めに「虫を殺すタイプ」つまり「殺虫」効果を発揮し、そのあと防虫化するのである。理由や仕組みはよくわからないがそうなのだからそうなのだ。つまり移植直後の被移植者は一定時間、人間フマキラーと化す。するとそれまでの大ピンチが一転、脳みそ狙って大群で押し寄せてくるヤグラマダラ蚊を一網打尽にできる逆転大チャンスに変わるのである。

しかしこの簡易移植、強烈に不平等な措置に思える。健全な目をくり抜いて他人に移植するわけで、くり抜かれた方は溶眼病で目が溶けたわけではないのに隻眼になり、溶眼病で目が溶けたわけではないから残った目がベープになるわけでもない。これだけだと一見明らかに欠陥のあるシステムだが、実は簡易移植で眼球を提供した人間は全国の国立病院で保存されているスペアの眼球を戻してもらえることになっている。あとかなりのお金をもらえる。表彰もしてもらえる。故郷に錦を飾れる。もちろんこれらは後日の話で、したがって、隻眼の人間はドナーから免除されている。なぜならキットで目玉をくり抜いた瞬間、両目を失った人間としてハイエナのような嗅覚のヤグラマダラ蚊に察知されて速攻で襲われてしまうから、基本的にドナーは双眸無事の人間に限られる。スペアなんて便利なものがあるなら、なぜ溶眼病で失った目にはスペアを戻せないのかという当然の疑問が出てくるだろう。答えは簡単で、溶眼病で隻眼になった患者にスペアを移植すると、なぜかもう片方の、残っていた目がベープをやめてしまい、さらに破裂してしまうのである。もうわけわかんねーよー。

ということで国民は常日頃から自分の血液型や左右の眼球のサイズなどを記した『眼球データカード』を携帯し、万が一に備えている。そして免疫不全型の溶眼病が発生し、患者が両目を失ったときは、近くにいる人間が「民間簡易移植の宣言」を行う。そうすると周囲はそれに従う義務を負う。そもそも免疫不全型の溶眼病が発生すると間もなく周辺から大量のヤグラマダラ蚊が飛来してくるわけで、そしたらその中の数%は気まぐれに近くにいる別の人間の眼球を狙うことは全然ありうる話で、人々にとっては人間フマキラーが一気に全部をやっつけてくれる方がありがたいに決まっているので、簡易移植には協力する方が賢明である。

ということでさっそうマンは女性の眼球データをさっそうと読み上げる。

「血液型はA型!破裂した眼球は右!サイズは7.2です!」

両目がある人間たちは各々定期入れやら財布やらメガネケースやらシルクハットやらなんやかんやから自分の眼球データカードを取り出して確認するが、悔しそうに首を横に振るばかりである。しかしそれも仕方がない、サイズが7.2の眼球は日本人では珍しく大きなものである。日本人の平均がだいたい6.5、ちなみに黒人になると8.0というツワモノもいる。以前テレビを賑わせていた世界最大の眼球を持つ男のサイズが9.1で彼はかなり話題になったが人気の絶頂で生放送中にヤグラマダラ…

「あなた、血液型とサイズは?」

いやん。

迂闊だった。興が乗りすぎてしまった。

女性の一番近くにいるくせに、自分の眼球データカードを一切確認することなく周囲をにやにやと見渡していればそりゃ怪しまれる。さっそうマンは怪訝な顔で、隻眼で、僕の両目を交互に覗き込んできた。やめろ、さっそうマン、こっちみんな、あっちいけ。

パニックが起きてもおかしくないこの状況で、それでも僕は少しも慌ててはいなかった。それは僕が稀有な幸運に恵まれていたからであった。

ある日、僕は女に不義理を働いてビンタをされた。仕方ない、むちゃくちゃしてもたんやから。そしてビンタを受けた際にその女の爪が目をひっかいたような気がしてそんで眼科を受診したのだが、眼科医と膝を突き合わせて診察を受けているまさにその場所でヤグラマダラ蚊に左目を刺されたのである。もちろん刺される瞬間さえも眼科医に確認された僕は即座に特効剤を点滴された。

最初の方で述べたけども、溶眼病はヤグラマダラ蚊に刺されてから3日後に眼球が破裂する怖い病気ではあるが、3日以内に特効剤を点滴すると、破裂は免れてせいぜい多めの目ヤニが出る程度で終わるし、刺された目は防虫効果を発揮、結果的に目をひとつも失うことなくベープになれるのである。しかしこの3日間は自覚症状がほとんどないため、98%以上の患者はチャンスを逃している。

さっそうマンに詰め寄られた僕はどこにしまったか忘れている眼球データカードを必死で、必死のふりをして探す。ほどなくして風俗嬢の名刺とミスドのポイントカードの間にはさまっているのを見つけると自分のデータを確認して、いやはや危ないところだったと気づく。

「すみません、A型ですが右目のサイズは7.4ですね。左目は7.2なんですけど」

そうだった、僕の眼球もデカいんだった。

協力できないことが心から残念であると告げるとさっそうマンも「そうですか…左目ですか…」と言って既に両手に持っていた禍々しい『民間用簡易移植キット』を悲しそうに上下に振った。周りはふたたび逃げ始めようとする。僕も、まぁベープがあるからヤグラマダラになんかされることはないが、かといって人間の頭部の爆発なんて見たくない。だからその場を去ろうとした。

そしたらまたさっそうマンが叫んだ。叫びながら僕の手をつかんだ。

「間違えてました!破裂した目は右目ではなくて左目でした!うっかりしてました!私から見れば右目ですが、本人にとっては左目でした!そして左目のサイズは7.2です!あなた、お願いします!スーパーヒーロー!」

さっそうマンは満面の笑みでスーパーヒーローこと僕を見つめながら叫ぶと簡易移植キットをキラキラさせてきた。


いやだった。


溶眼病のせいで今や隻眼も珍しくなくなった。隻眼の方が多いくらいになってきている。そもそも簡易移植ならば明日にでも医者に行けばスペアを戻してもらえる。そしたら両目に戻れる。金ももらえるし表彰もされる。

しかし僕の場合はそういうわけにはいかないのだ。

僕は今、左目がベープをやっている状態だから、それを失ってしまうと右目が無防備になる。さらに明日スペアを戻してもらえたとしても、スペアの左目はただの左目でベープなんかできないから、両目が揃っても完全なる無防備。ヤグラマダラに怯える日々に突入してしまうのである。

今の僕は幸いなことに両目が揃ってるのにベープができているという最強状態。ベープの獲得は普通、痛みや悲しみと引き換えで、つまりは片目を失って初めて手に入れられる最後の安息である。僕が『両目でベープ』であるということが知られれば皆嫉妬するだろうしあらぬ反感を買うだろう。噂は近所に広まりピンポンダッシュとか生ゴミをドアノブに塗られるとか架空請求詐欺などの憂き目に遭うかも知らんし、悪い人がこの話題に食いついて僕の左目を狙いに来るに決まってる。捕まったら最後、目ん玉くり抜かれて終わりである。隻眼のベープさえも何人も攫われてるのだから僕なんて一発である。

以上の点により、僕はさっそうマンの要求を却下した。


「うっさいんじゃ、ボケ。お前、さっそうとすんな」と言い残して逃走。


非難轟々。そんなのは鹿十である。遠くの空で真っ黒な霞が蠢いている方角に全力で走り出す。「逃げたぞ!」と声がするが心配いらない。僕は走り続けてそのまま真っ黒な霞、つまりは女性目指して飛んできたヤグラマダラ蚊の大群の中に突っ込む。左目のベープが本領を発揮してヤグラマダラ蚊たちは左右に別れる。

ヤグラマダラ蚊の大群に紛れれば追いかけてくる人間はかなり減る。他人のために好きこのんで自分の目を危険に晒す人はいない。しかし油断は禁物である。背後で足音がする。振り向かなくてもわかる。

隻眼のベープたちだ。

彼ら彼女らは自ら溶眼病の悲劇を体験しているだけにこういう場面では異常な正義に燃える。そもそも両目が揃っている人間に対して嫉妬に似た気持ちを持っており、両目があるのに逃げ出した僕なんかは最高の餌食、日頃の不平不満恨みつらみを当てつける最高の相手なのである。

「まてこの野郎」というさっそうとした声がわりとすぐ後ろで聞こえてきてもうアカン逃げられへんと思った僕は急遽立ち止まって振り返る。隻眼の男、さっそうマンが両眼前に迫っていた。怯んだ相手が態勢を立て直す前に相手に飛びかかり、さっそうマンの手に握られた移植キットをさっそうマンの顔面に残されたひとつだけの眼球に嵌め込んでスイッチオーン。たった2秒でさっそうマンのさっそうとした眼球は簡単お手軽に眼窩から外れてぽとりと地面に落ちる。砂に塗れる。

僕はまた走り始める。ヤグラマダラ蚊の大群の一部が枝分かれして倒れたさっそうマンにも向かってくる。

いやだなぁ、いやだなぁ、まだこの距離だと頭蓋骨の破裂音は聞こえてきそうだなぁとヤグラマダラ蚊の霞の中で思いながら走り続けていると、突然2秒ほど、まるでにわか雨が降ったような音がして、黒い霞が一気に消えた。僕はおぉーと思うし言う。

この音は大量のヤグラマダラ蚊が人間フマキラーに一掃されて地面に落ちたときの雨音みたいな独特のやつである。
両眼のドナーは現れなかったから隻眼の誰かが自分に残った唯一の眼球を女性に簡易移植したんだろうなぁ、えらいなぁ。でもバカだなぁ。ヤグラマダラ蚊はいっぱいいるんだぞ。

結構疲れたのでゆっくり歩く。前方の空には新しく真っ黒な霞が蠢いていて、新しいエサの誕生を喜んでいるようで、楽しそうにゆらーりゆらーり揺れているのを僕は両目でしっかりと見つめている。



以上のような内容の夢で目が覚めて、左目にめばちこができていたから、これはなんらかの自分への戒めだなぁと思いました。



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コメント

  1. 今日は仕事がお休みで一日中家にいました。お昼過ぎ、ドドドドという地鳴りのような音が聞こえて、騒がしいなーと思ってベランダに出てみました。うちのベランダは5階の南側にあります。日当たりと風通しがよく、今朝新しいプランターを追加したばかりでした。

    ベランダから下を見ると、目の前の道路を大勢の人が同じ方向に走っていました。東から西へと。100人くらいはいたと思います。全員が50メートル走をするくらいの猛スピードで駆け抜けていくので、何かの競技が開催されているのかと思いました。

    しかしすぐ後から現れた黒い集団によって、そうではないことがわかりました。黒い岩のような大きな体、4本の足、巨大な角…決して見慣れた姿ではありませんでしたが、私の頭の中には不思議と確信をもってある生き物の名前が浮かびました。

    バッファロー…

    バッファローの群れが人々を追いかけていたのです。

    そのうち、数名の人々がバッファローに追いつかれ、頭突きをされて倒れていきました。凄まじい光景でした。私はとっさに横にあったデジカメでその光景を撮影していました。プランターに植えた多肉植物を撮影するためにカメラを置きっぱなしにしていたのです。

    何か心に引っかかるものがあれば撮影する。それが日常の癖になっているせいか無意識に行動してしまったことでした。すぐにそんな自分を恥ずかしく思いました。カメラで撮ってる場合じゃないだろう。こういう場合は…そうだ通報だ。

    警察に電話しました。以前、救急車を呼んだときはたった3つの数字を何度も間違えてなかなかかけられなかったのに、今回は一度でかけることができました。「○○駅の前でバッファローが人を襲っています」説明もわりと上手くでき、警察の方も即座に理解してくれました。

    あと自分に出来ることは?
    思いついたのは服を探すことでした。倒れている人たちはバッファローの攻撃によって全裸になってしまっていたのです。人が裸ではいけない。私のいらない服をあげよう。そう思いました。

    服を探しているうちに、私は実家に戻っていました。実家の方がいらない服がたくさんあるのです。タンスから肥やしとなっている服をかき出しながら、家の外に気配を感じていました。実家は一軒家で、すぐ隣が車庫になっています。その車庫に何かいるようなのです。

    窓からそっとのぞいてみると、車の代わりに、白地に黒いぶちのある牛が立っていました。いわゆるホルスタインという種の。一瞬、なんだ乳牛か…と思ったものの、バッファローのような角はないけどやっぱり大きいし、何を考えているかわからない表情は不気味でした。なにより、実家にまで牛がきているという事態に言いようもない危機感を感じたのです。

    バッファローはきっと街中に広がっている。この家もいつ襲撃されるかわからない。私は家を出る決意をしました。今思えば、外に出るよりも家の中にいた方がまだ安全な気がしますが、そのときの私は恐怖のあまりじっとしていられなかったのでしょう。

    連れていくのは飼い猫のみ。彼女をいつものように両腕に抱き、玄関のドアの前に立ったそのとき…


    目が覚めました。
    今日、昼寝したときの夢でした。

    遅ればせながら、はじめましてです。
    以前から時々日記を読ませていただいていました。

    こちらには、たしかCHAGE and ASKAの情報を検索していたらたどり着いたように思います。
    私もCHAGE and ASKAが大好きなのです。

    溶眼病のお話、ドキドキしながら読みました。
    思わず私が今日見た夢を書いてしまいました、すみません。

    また寄らせていただきます。
    では~

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