処刑人Ⅱがメチャメチャ面白かったことをここに報告しておきます。

『処刑人Ⅱ』がとても素晴らしかった。トロイ・ダフィー監督はパート1から10年経ってこの『処刑人Ⅱ』を制作したのだけど、監督自ら「この10年、この映画のお陰で食ってこれた。パートⅡはファンへの恩返しだ」と言う通り、パート1のファンにはたまらないストーリィになっていた。ユーモアのセンス、アクションシーンのかっこよさ、そして名物となった、「捜査官の謎解き」の方法も健在で、とても10年経った作品とは思えなかった。ナメてた。「どんな映画でもパート1が一番面白い」説を盲信してしまっていた。ごめんね、トロイ。この映画のいいところは、たとえばアクションシーンはかっこいいのだけれど、ガイ・リッチーみたいに「かっこええでっしゃろ?」みたいな、露骨な表現をしない。「セインツ」と呼ばれる兄弟は、法で裁けない犯罪者を殺していく『処刑人』となって、マフィアを次々と始末していく。その度に兄弟は作戦を立てるのだけど、この作戦がもう、なんというか、杜撰極まりなくて、時々ビックリするぐらい失敗する。そういうダサいシーンがユーモアになり、また、逆に作戦がバッチリ決まったときのアクションシーンを盛り上げるのである。映画ってこれぐらいの杜撰さと、ここまでの勢いがないと面白くないよなぁと思わせてくれる作品だと、僕は思う。

『処刑人Ⅰ』予告編


『処刑人Ⅱ』予告編


で、もともと7年前ぐらいに僕がこの映画にハマった一番のきっかけは、パート1のオープニングシーンと、そこに流れるケルト音楽"The Blood of Cu Chulainn"に一気に魅了されたからで、この曲が入っているCDが欲しくて探し回ったのだけど、当時、アメリカで銃の乱射事件があったかなんかで、サントラが発売されていなくて、もちろん日本でも売ってなくて、僕は映画のエンドロールに書いてあったタイトルをヒントにいろんなチャットサイトに飛び込んでは、アイルランド人に声をかけ、CDを持ってないか聞いて廻った。最終的に、あるアイルランド人がCDを持っていることがわかり、彼と必死に拙い英語交渉をして彼のCDを譲ってもらったという経緯がある。

"The Blood of Cu Chulainn"『処刑人Ⅰ』のオープニング 3:09〜6:50あたり)


そこへきて、今回の『処刑人Ⅱ』はサントラがきちんとリリースされ、さらに23曲目に"Blood of Cu Chulainn 2010"という曲が収録されていた。また、映画の中で、この"Blood of Cu Chulainn 2010"が流れるのが、友人を殺されてしまったことで戦意を喪失していた「聖人兄弟」の夢の中に、パート1で大活躍し、死んでしまった愛すべきロッコが現れて、彼らを激励し、奮い立たせるというシーンなのである。

そのシーンがこちら


パート1を思い出させるシーンでパート1のオープニング曲のアレンジバージョンを流すという粋な計らい、トロイ・ダフィーはやりおる、やりおる。これはパート1も含めてBlu-Rayを購入しなければならないなぁ。

"Blood of Cu Chulainn 2010"


好きな映画の10年ぶりの続編が、何も変わってなかったことは本当にうれしいし、監督及び制作者側が、ファンが何を望んでいるか、とか、どういう部分がウケたのかをしっかり把握しているということになる。

トロイ・ダフィーの今後の作品、見逃せないじゃないか。



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