脱・インポテンツ。

勃起には前半と後半があると考えている。前半は、徐々に硬度を増していく状態、後半は軌道に乗って後は野となれ山となれという状態。

最近の僕はもうなんていうか、オナニーをしていても前半で失速し、「オレは何をやっているんだろう」と、愁訴を訴えることが多く、若くしてもうインポテンツになってしまったのではないかと夜な夜な泣いていたら近所から苦情が来た。嘘だけどね。

確かに最近の僕はオナニーどころの話ではないくらい、異常事態に見舞われている。常識人の方から見れば「おいお前、自慰行為に耽っている場合ではないだろう」と言われるような状態ではある。しかし、そういうときだからこそオナニー、自慰、つまり自分を慰める行為が必要なのではないかと、声を大にして言いたい。

そこで僕は、現在自分に起きている異常事態をやや楽観的にとらえてみた。つまり、僕が何となくインポテンツっぽいのは決して精神的なストレスからくるのではなく、僕のPCに所蔵されている100を超えるわいせつ動画、これを見過ぎて、こいつらに飽きが来てしまったからではないだろうか、そう考えたのである、なんたるポジティブ。

そこで、新規にわいせつ動画をゲットするべく、違法ダウンロードソフトを立ち上げてみたのだけれど、欲しい動画がなんか全然落ちてこない。「残り時間 16日」などと表示されている。おいボケ、16日後のオレが、その動画を今と同じ気持ちで見たいだなんて保証がどこにあんのじゃ。
僕は憤慨した。憤慨すると結構頭って冴えて来るもので、ひとつの解決策に行き当たった。そう、TSUTAYAである。

早速とるものとりあえず、家を出発。偉いもんでTSUTAYAに到着したときには既に半立ちの状態であった。階段を駆け上がり、「ここから先はエロい物しかありません」という注意書きのカーテンをくぐると、そこには本当にエロいものしかなかった。先客が一人居たのだけど、彼は僕が入室する瞬間まで股間を触っていたような気がする。若いって良いよね。

さて、僕は早速物色を始めた。レンタルビデオ屋でアダルトビデオを借りて、それがしょうもなかったときの悲しさと言ったら、フォアグラがそんなに美味くなかったときのそれに似ている
そんな憂き目に遭いたくなかったので、僕はもう必死に物色をした。

熟女コーナーに『デリ夫人』という、デヴィ夫人そっくりの女が股を開いて笑てる作品があった。誰が借りんねんと思たら、「貸し出し中」ってなってた。悲しかった。

そこからたぶん20分ぐらい、僕はひたすらエロDVDを物色し続けた。

こんな話を聴かされてもイヤだろうけど、それでもするけれど、僕は男女の陰部がドアップになっていて、そこに電子機器を突っ込んで女がヤンヤン喚き散らして潮を吹くような作品は好きではない。そんなものは和田に任せておけばいい。
僕が一番ぐっと来るのは、例えば、さっきまでは恥じらっていた女性が半ば強引に迫ってくる男性を受け入れ、その股間に手を差し伸べた瞬間である。正常位の際、男性の首に腕を回す瞬間である。シャワーを浴びた女性が巻いていたバスタオルを恥ずかしそうに外す瞬間である。

だからまぁ、必然的に『盗撮もの』になるよね。

20分かけて、パッケージを凝視し続けた。その間に色んな男たちが入っては出ていった。良いよな、お前らは簡単に勃起できるんだからよ。

羨ましさは感じた。しかし悔しくはなかった。なぜなら、僕のチョイスがちょっとなんて言ったらいいのかな、神がかってんちゃうん?っていうくらいええ感じだったからである。

そして意気揚々とレジに向かう。しかし、エロDVDばかり4枚借りた人となると恥ずかしいので、CDコーナーでスナッチのサントラも選んでおいた。抜かりはない。

僕はTSUTAYAのカードを持っていないので、店員にエロDVD4枚とスナッチのサントラを手渡して、入会書類に必要事項を記入する。
店員が「写真付きの身分証明書をお願いします」と言うので、免許証を見せる。その時だった。

「あー」つって、店員が悲しそうな顔をして言うには、「免許証に記載されている住所が古いですね」とのこと。あぁ、なるほど、そういうことね。僕はまだ警察に行って住所の書き換えをしていなかったからねっつって、「すんません」つって、今度はちゃんとした住所が載っている保険証を提示する。

そしたら店員は無表情で「顔写真付きで住所もきちんと掲載されている身分証明書1枚でなければ会員証の発行は無理です」と言った。

頭の中がガビーンって鳴った。

その店員は僕が手渡したエロDVDを、僕が届かない場所にまで遠ざけると、「光熱費の請求書とか、今お持ちですか? そしたら会員証発行できますけど」と言ってきた。

持っとるかいぇ!
今、光熱費の請求書持ってたら、先に光熱費払いに行くわ!

結局僕は、手ぶらでTSUTAYAを出て、建物の隣にある自販機でコーラを買って、路肩にしゃがみ込んで煙草を吸いながら、鉄コン筋クリートのシロの台詞、「夜になるとね、悲しい気持ちになるんだ」を呟いて、それからこう思った。

「もう、ちんちんを切ってしまおう」と。



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