糞の潔さ。

深夜、公園のベンチ脇に立て看板を見つける。

「犬の糞は飼い主が持ち帰りましょう」

と書いてある。
僕は立ち上がり、看板に近づき、覗き込むようにして看板に書いてある文字の、その中でも「糞」という漢字を凝視してみた。

「糞」という漢字を改めて見てみると、頭に「米」という文字を冠して、下に「異」という文字を履いている。

つまり、これは訳すと、「私は米じゃない」という意味になるのである。
僕は「おぉ…」と声に出して呟いた。隣にいた野良猫が逃げてった。

「米」と言えば、日本人にとって食事のシンボルである。
しかし「糞」という文字はその食事としてのシンボルに対して文字通り「異」を唱えているのである。

つまり「糞」という漢字は、自らを「私は食べ物ではありませんよー」、「私は食べられませんよー」、「私を食べないでくださいねー」、「私を食べたら、いやな気持ちになりますよー」と身を挺して訴えているということがわかる。「食べられない」という意味の記号であるといっても過言ではないのではないだろうか。

スナック菓子に入っている「食べられません」のシリカゲルの袋にも、
もう「糞」って書いときゃいいんじゃないだろうか、とさえ思う。

しかしまぁ、「糞」が今、必死にそれを訴えざるを得ないのも、現実社会にはまだまだ糞を食うて笑てる阿呆がたくさんいるからだろうね。

それにしても「糞」、潔し。あっぱれ。



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