読者レベルについて。

悩んでいる、というのは『1Q84』を読むか否かについてである。村上春樹っつったら、イスラエルかなんかで文学賞をもらった際のスピーチで「壁に卵をぶつけたら割れるけど、でも壁に卵をぶつけ続けるのが作家だ」みたいな、僕にしてはわけのわからないスピーチを打ち噛まして拍手喝采を受けた傑人である。

ハルキストだかハルキニストだかアルピニストだかいうフリークもたくさん抱える、日本を代表する作家だ。

そんな作家の最新作品である『1Q84』を読むべきか、悩んでいる。

理解できるのかどうかが、不安なのである。

先日読み終えた『東京奇譚集』という短篇集の中に、マンションで旦那が行方不明になったから探してほしいと依頼を受けた探偵が旦那を探しつづけたけれど見つからず、後日仙台かなんかで警察に保護されて旦那が帰ってきたという話があった。

なんじゃそりゃ、と思った。こんな物語をわざわざ文章にして出版していいのかと思った。

つまり、僕は村上春樹を理解できる読者レベルにまだ達していないのである。『ノルウェイの森』を読んだときも勃起しただけやったし。

どんな作品も、作り手が一番長い時間をかけて作品と触れ合うだろう。作家が3年かけて書いた本が1日で読まれてしまうこともある。

でも、できたらできるだけ理解したいと思うから、悩んでいる。

ちなみに、『1Q84』はここ最近の出版部数記録を大幅に塗りかえたらしい。これはつまり普段本を読まない人まで『1Q84』は読んでるということだろうけど、そんな人たちに世界の村上春樹、ノーベル文学賞に近い作家村上春樹の『1Q84』に込められたメッセージやテーマを読み取れるのだろうか。これはまぁ、皮肉です。

本を読むことが「えらいこと」だとは思わないけれど、赤川次郎や星新一は楽しめるけど村上春樹はわからんという人は当然いるだろう。

あと、その人の本を読むにあたり、予備知識があったほうがよく理解できるということはあると思う。西尾維新なんかはアニメ系を知ってたほうが楽しめるだろうし、森博嗣を読むなら理系工学の知識があった方がわかるだろう。伊坂幸太郎ならビートルズと芥川龍之介かな。六本木ヒルズに住むセレブが町田康や小林多喜二を楽しめるとは思えないし。

村上春樹ならなんだろう、とりあえずジャズなんかなぁ、ジャズもわからんしなぁ。

やっぱり、しばらくお預けやな。文庫になるのを待とう。



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