唸れ、オレのイングリッシュ。

スウェーデンからの客人、オーラ&アニーの2名との英会話で、既に脳髄に鈍痛を覚えるほど低い僕の英語力だというのに、突然、オーラ&アニーが北京で出会ったというスコットランドからの贈り物、ボビー&カースティの2名が追加されて、合計4名のイングリッシュスピーカーを独りで市中引き連れて僕は神戸を徘徊した。

イングリッシュスピーカーはなんかしらんけど、声がでかく、それに加えてアニーという女の子はとにかくフレンドリィ。フレンドリィが服着て歩いてるような女の子なので、例えば事務的にレジをこなすコンビニエンスストアの店員に、後ろに行列を待たせながら「アリガトゴザイマシタ? アリガト? イタダキマス?」と覚えたて、かつ、うろ覚えの日本語で笑顔で話しかけてしまうアニーを「もう大丈夫だよ」とたしなめながら、病的なまでに心配性のオーラが広島までの行き方を何度も何度も確かめてくるのに「それがベストプランだよ」と答えながら、本日いきなり極寒に襲われた神戸にTシャツ1枚で乗り込んできたボビーを「大丈夫?寒くない…わけないよね」と気にかけながら、日本の文化に興味津々まくりのカースティに「神社と寺の違い」、つまり「神道と仏教の違い」ついて、「死生観」の側面から説明するということを全部英語でやっていたら脳髄がどろどろに溶けて耳から出てきたので耳栓をしようとしたけど、耳栓をしてしまったら、彼ら・彼女らからの質問に答えられなくなるので僕は耳栓をしなかった。だから脳髄がナクナッタ。

体が冷えてしょうがないので雑貨屋に入り、アニーの「ホワイトニング剤の入っていない安価なファンデーションが欲しい」という希望に応えるべく、三葉さんのためにもしたことないのに、化粧品売り場で化粧クサいおねいさんに質問しようとして、ずっと英語で話していた僕は、おねいさんを「Hey!」と呼んでしまって、「何調子乗ってんだよ、この青二才」みたいな顔で見られて落胆しているうちに夕餉の時間になった。

外国人をもてなすときに一番苦労するのが食事であるが、実は、「外国人にはお好み焼きを食わせておけばいい」という必勝パターンが僕にはあるので、友人が経営するお好み焼き屋に行ったら、友人に「いつの間に国籍変えたんや?」と言われてしまったあとも、英語の1人称は「I」だけだけども、日本語には「わたし」「わたくし」「僕」「オレ」「やつがれ」など他種類あるという話題になり、日本の文化に興味津々まくりのカースティが「どうやって使い分けるの?」と訊いてきたので、「友達に『オレ』は大丈夫だけど、上司には『オレ』じゃなくて『僕』かなぁ」と説明したり、「要するにキャラクターだと思うんだ。ダニエル・ラドクリフの『I』は『僕』だろうし、エミネムの『I』は『オレ』だろうし、ボーイ・ジョージの『I』は『わたし』なんじゃないかなぁ」などと必死に説明をしていたら、鉄板からお好み焼きがなくなっていた。

アイツら、食うときは食うよな。

ただ、そのあと我楽多に行ったら、オーナー・D・ロッシー、ワーダー・D・ナオキを始めお客さんがみんな彼らを歓迎してくれて、店を出たときにアニーがエレベータの中で「So funny, I love that Bar!!」と叫んでくれたときは、なんか無性に嬉しかったなぁ。

左からボビー、水野、オーラ、カースティ、アニー

オーラが印象的なことを言っていた。

「僕らは今、すごく長い旅行をしている。だから、観光だけだとさすがに飽きてしまう。でも、日本には大樹という日本でしか会えない友達がいて、大樹のお陰で会える、日本でしか会えない大樹の友達とも会える。これは旅の一番たのしいところだ」

僕の拙いイングリッシュアビリティが都合よく解釈したのかも知れないけれど、家に着いたあと、布団に横たわってウトウトしながら「Today is Super Day, Super Food, Super Bar, Super Friends, Super Day♪」と唄っているアニーを見ていると、あながち誤解でもないような気がしてくる。

さて、しかしながら外国人と過ごし、1日のほぼ全てを英語で過ごす日々は続く。脳髄はもうないが、明日はいよいよ7人の大所帯で大阪に攻め込む予定であるのだけれど、7人のうち、5人が外国人(スウェーデン人3名、スコットランド人2名)、さらに日本人2人は僕と三葉さんという不安要素。

なぁ、日本において日本人がアウェーになることなんてあっただろうか、いや、なかったはずだ。

ただ、ここにひとつ救いがあって、明日、新たに参加してくれる1人のスウェーデン人が日本語も英語も上手に話せるということである。せっかく仕事が休みのところ、突然呼び出したにも関わらず、快く応じてくれたことに心から感謝しつつ、もう感謝ついでに、明日は是非とも彼に頑張ってもらいたい。できればスウェーデン語の話せる彼の奥方にも参加していただきたい。そう願って止まないのは、僕の脳髄が既にほぼなくなってしまっているからである。

しかし、アニーもオーラも僕のどん底の時にスウェーデンで僕をいやしてくれた二人である。日本を楽しんでいってもらいたい。だから僕は僕の貧相なイングリッシュを振り絞り、明日も早起きして頑張るのである!

と思うのだけど、オーラがさっきからすぐ隣でずっとiPadのゲームに熱中してしまっているため、眠れない。
もう…

Everyone report to the dancefloor, to the dance floor, to the dancefloor
Everyone report to the dancefloor,





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